みやぎ生協から被災地・宮城のいまをお伝えします

26地域再生に向けて(1)
~時間の壁と向き合いながら進めるまちづくり~

2015/10/7

被災した市町では地域再生に向けた新たなまちづくりが進んでいます。どの地域も、人口減少問題を抱えるなか、個々の地勢や地域資源を活かした計画を策定し定住を呼びかけているのが特徴です。

津波で家屋の9割が被災した女川町は、山を切り取って高台に宅地を整備し、造成で出た約700万㎥の土を平地に盛って新たな市街地をつくっています。嵩上げした国道が防潮堤の役割を担い、中心部には役場や学校、病院、商店、観光施設などが集約。宅地をほぼ2キロ圏内の高台に分散配置することで、景観と安全、生活の利便性を確保しています。ことし3月には女川駅と女川温泉「ゆぽっぽ」の営業開始を機に、「まちびらき」を行ないました。

「まち」の様子がたびたび報道されることもあり、女川町は復興が早いと見られています。しかし復興の指標の一つである災害公営住宅完了戸数は「4年半、一生懸命取り組み続けて きてもまだ3割程度」と、我妻賢一さん(女川町復興推進課課長)は焦燥感をにじませます。山の掘削、土の運搬、盛土と一連の造成作業に時間がかかるためですが、宅地の完成を待ちきれず「まち」を出ていく住民もいます。震災前は1万人強だった人口は現在約7,000人にまで減少しました。

高台移転や利便性の高い市街地づくりは住民に「希望を持っていただくためのもの」ですが、時間の壁が立ちはだかります。

さらに「街並みだけでは定住してもらえない。そこに心がないと…」と我妻さんは言います。そこで、住民のなかから“まちの心をつくる”様々なリーダーが育っていくよう、女川町は 「まち活」プロジェクトに取り組んでいます。また高台の住宅地では早い段階から「まちづくり」参加の機会を設け、コミュニティ形成を図っています。

「女川は面白いまちになると興味を持ってもらい、住民同士の絆が深まれば、人口流出にも少しは歯止めがきくのでは」と我妻さんは期待を口にします。

「まちづくり」も「人づくり」も緒に就いたばかり。被災市町は時間の壁と向き合いながらこれからも厳しい道を歩いていかなければなりません。

▲商店街の建設工事が進む駅前プロムナード。湾左手には女川魚市場や水産加工団地が並ぶ。

▲我妻賢一さん。「12月には商店街が完成し、まちびらき第二弾を開催します。ぜひ女川町においでください」。

▲女川駅と一体型の交流施設、女川温泉ゆぽっぽ

情報提供/みやぎ生協



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